風営法の改正について
2025年は、風俗営業に関する法制度において大きな転換点となる年です。
社会環境の変化や業界の多様化を背景に、風俗営業等の適正な運営と利用者の安全確保を目的とした「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の重要な改正が行われました。
今回の改正では、悪質な営業行為の防止や無許可営業に対する罰則の強化、いわゆる「スカウトバック」の禁止など、業界全体の健全化に向けた新たな措置が盛り込まれています。
改正のポイント
2025年5月28日に公布された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の改正(令和7年法律第45号)は、『接待飲食等営業における悪質な営業行為の防止』『無許可営業等に対する罰則の強化』『スカウトバックの禁止』『欠格事由の拡大』など、業界の健全化と利用者保護を目的とした重要な法改正となり、2025年6月28日から施行されます。
(令和7年6月1日時点の情報です)

参照:警察庁HP
改正風営法の概要
改正風営法は、以下の4つの柱から構成されています。
- 接待飲食等営業に係る遵守事項・禁止行為の追加
- 性風俗店によるスカウトバックの禁止
- 無許可営業等に対する罰則の強化
- 風俗営業からの不適格者の排除
主な改正ポイント
1. 接待飲食等営業に係る遵守事項・禁止行為の追加
接待飲食等営業者は、以下の行為を行ってはならないとされました。
・料金に関する虚偽の説明
・客の恋愛感情等に付け込んで飲食等をさせる行為
※「色恋営業の禁止」は報道等ではそのように表現されていますが、条文中では明確な「色恋営業」という表現は使用されておらず「客の恋愛感情に乗じて高額な飲食等をさせる行為」と表現されています(風営法施行規則第14条の4第2項第3号)。
・客の注文なしに飲食物等を提供する行為
これらの行為は、風営法第13条第1項及び風営法施行規則第14条の4に基づき、遵守事項として規定され、違反した場合は行政処分の対象となります。
接待飲食等営業に係る禁止行為の追加
以下の行為が新たに禁止され、違反した場合は刑事罰の対象となります。
・客に注文や料金の支払等をさせる目的での威迫
・威迫や誘惑による料金の支払等のための売春、性風俗店勤務、AV出演等の要求
これらの禁止行為は、風営法第49条に基づき、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
2. 性風俗店によるスカウトバックの禁止
性風俗店がスカウト等から求職者の紹介を受けた場合に、紹介料(スカウトバック)を支払うことが禁止されました。これにより、スカウト行為の抑制と業界の健全化が図られます。
違反した場合は、風営法第49条に基づき、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
※スカウト行為そのものではなく、「スカウトバック(報酬の授受)」が禁止対象であり、スカウト行為自体は引き続き職業安定法等の範囲で規制されます。
3. 無許可営業等に対する罰則の強化
無許可営業や名義貸しなどの違法行為に対する罰則が大幅に強化されました。
・個人の場合:懲役刑が2年以下から5年以下に、罰金が200万円以下から1000万円以下に引き上げられました。
・法人の場合:罰金が200万円以下から3億円以下に引き上げられました。
これらの罰則は、風営法第50条に基づきます。
風俗営業からの不適格者の排除
風俗営業の許可を受けられない者(欠格事由)の範囲が拡大され、以下の者が新たに追加されました。
・親会社等が許可を取り消された法人や、警察による立入調査後に許可証を返納した者
・暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響力を有する者
これらの規定は、風営法第4条に基づきます。
許可取消に関する名義貸し対策として、実質的支配者の概念が導入され「形式的要件のみによる判断から、実態を重視する運用への転換」がなされます。
まとめ
2025年の風営法改正は、業界の健全化と利用者保護を目的とした重要な法改正です。
事業者様は、改正内容を正確に把握し、適切な対応を講じることで、法令遵守と業務の適正化を図る必要があります。
当事務所では、風俗営業に関する各種手続きを行っておりますので、お気軽にご相談ください。