【令和7年風営法改正】ホストクラブ等の広告規制の強化

2025年(令和7年)5月28日に公布された風営法の改正に伴い、ホストクラブ等の接待飲食営業における広告・宣伝の規制が強化されました。警察庁からは6月4日付で通達が出され、全国の警察署に対し、運用方針が示されています。本記事では、この通達のポイントを解説します。

(令和7年6月20日時点の情報です)

目次

1. なぜ広告規制が必要なのか?

近年、ホストクラブなどにおいて、客の判断力が鈍った隙に過剰請求が行われるなどの重大なトラブルが問題視されています。中には、客の「推しホスト」を応援するために、過剰な支出を促す広告も見受けられていました。こうした状況に対応するため、改正風営法では新たに接待飲食営業に関する遵守事項・禁止行為が追加され、広告・宣伝についても具体的な規制が設けられました。

2. どんな広告が規制対象になるのか?

通達では、次のような広告が風営法第16条違反に該当するおそれがあるとされています。

❶ 接客従業員の営業成績を誇張するもの

「年間売上○億円突破」「指名数No.1」「億男」など

❷ 営業成績と役職を結びつけるもの

「総支配人」「神」「レジェンド」「新人王」など

❸ ランキング制度を煽るような表現

「売上バトル」「SNSフォロワー数○万人」など

❹ 客の応援心をあおる表現

「○○を推せ」「○○に溺れろ」など

これらの表現は、過度な競争意識や遊興意欲を煽り、違法行為の温床になりかねないという理由で、規制対象となります。

参考条文:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(広告及び宣伝の規制)

第十六条 風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。

3. 店内の広告も対象となります

屋外広告だけでなく、店内に設置されたポスターや装飾も、内容によっては清浄な風俗環境を害するものとして、風営法施行規則上の「営業所の構造・設備の維持義務」に違反する可能性があります。

4. 違反があった場合の対応

警察は、違反が確認された場合にはまず行政指導を行い、改善されない場合は風営法第25条に基づき「指示処分」を検討します。

また、新規に営業許可を申請する際にも、開業前から不適切な広告が設置されていないかを指導対象とする方針が示されています。

違反行為の度合いによっては、風営法第26条に基づき、営業許可の取消し又は6か月を超えない範囲内で全部又は一部の営業停止を命じられる可能性があります。

参考条文:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

(指示)

第二十五条 公安委員会は、風俗営業者又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該風俗営業者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。

(営業の停止等)

第二十六条 公安委員会は、風俗営業者若しくはその代理人等が当該営業に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したときは、当該風俗営業者に対し、当該風俗営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

まとめ

ホストクラブなどの接待飲食営業においては、広告・宣伝の自由にも一定のルールが求められる状況になりました。

2025年の風営法改正は、業界の健全化と利用者保護を目的とした重要な法改正です。事業者様は、改正内容を正確に把握し、適切な対応を講じることで、法令遵守と業務の適正化を図る必要があります。当事務所では、風俗営業に関する各種手続きを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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